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ニチジョウ。

ニチジョウ。

空の境界



空の境界-カラノキョウカイ-
著者 奈須きのこ

ネタバレは嫌なのでとてもわかりづらい感想文ですが。


ライトノベルのようでライトノベルでない、重たくもわくわくとさせられる感覚はまるでライトノベルや少年マンガのよう。
このお話は、両義式という主人公が事故にあって一部の記憶がぬけてしまうコトが深くかかわる、けれどもそれだけが主体で終らないお話。
戦闘シーンが多く見られ、その戦闘はどれも鮮明で目蓋に強く残る印象があります。まるでその場にいるかのように脳裏にイメージが浮かぶのです。
このお話全体の印象を言うならば、とても鮮やか。
それは戦闘シーンの鮮やかさだけでなく、書き方によるものです。
この小説は三人称という書き方を全くしていません。様々な登場人物がいる中、それぞれの視点から話を考え進めていくのです。一見複雑に感じますが、それぞれのキャラがここまで確立されていると全然まざりません。
本当に生きているかのようにキャラたちの性格がはっきりとしていて、視点が変わる際もいったん話の区切りがついてから変化する。だからわかりやすい。
こうしてたくさんの人間の色が一人称としてわかりやすく表されているから、鮮やかに感じるのです。複数の人間が書いたお話をまとめたかのようなのです。

また、話の途中でたくさんの伏線がでてきます。
並大抵の量の伏線じゃありません。
しかし、その伏線も最後の最後にはすべてがつながるのです。
イメージとしてはバラバラのパズルが最後に一気にはまる、という感じです。なんていうか、爽快とも言える感覚です。脳内サプリですね。
あちこちに散らばった点という伏線を、最後の最後で一気に繋げる回りくどい焦らし方といい、実力派ですよ。ああ私はこのためにこの本を読んでいたんだわって思えます。
しかも、その前の戦闘シーンや日常の生活でさえおもしろいから飽きないんです。

少々難しい説明や理論が登場しますが、それも話をハイレベルにさせるための味です。白米にかけるふりかけです。推理小説よりかは簡単だと思われます。

もう、なんて言ったらいいのでしょう。
小説の人物が夢にまででてきたのは久しぶりのできごとでした。
それだけ影響力がスバラシイのです。

ってか……文句なしに式かっけぇ!!!!
幹也エライぞ! あんたは愛されるキャラだ!
おまえら泣けるぞぉぉぉぉ!!(涙)

って感じです。
何回も読み返したくなるお話。
せんせぇ、読まなきゃ損だと思いまーす。



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